不動産売買では、売主と買主の双方が安心して取引を行なえることが大前提です。
個人売買でなく不動産業者等を介しての取引の場合は、あらかじめ用意された書類などにより安心安全な取引を行なうことができるでしょう。
しかし、専門業者を介さない個人間での売買では、双方が納得し取引を安全に行なうために、様々な注意点が存在します。
節約のために行なった個人売買なのに、いつの間にか金銭トラブルにまで発展していた…ということのないように、しっかりチェックをしていきましょう。
物件の売買を行なう際には、売りに出される物件についての詳細な調査結果が記載された【重要事項説明書】を不動産会社に作成してもらいます。
しかし、いくら知識のある専門家であっても調査しきれない部分があります。
それが【売主にしかわからない事実】です。
「ある時間になると毎日異臭がする」
「生活音の問題で近所とトラブルになったことがある」
など、いくら不動産会社が調べ上げてもわかり得ない事実があります。どんなに詳しい専門家よりも、長年その場所に住んだ売主の方が不具合・不都合には詳しいのです。このような目に見えない不具合や欠陥のことを【瑕疵(かし)】といいます。
ですが、もしもその売主が瑕疵を隠したまま売買を行なった場合、買主はその事実を知らないまま取引を行なってしまうことになり、のちのトラブルへとつながります。
そのようなトラブルを未然に防ぐために、国土交通省は売主に対し、建物や土地の過去の履歴や欠陥、不具合など、売主にしか知り得ない事項を記載した書類を買主に提出することを指導しています。それが【物件情報確認書(告知書)】です。
埋設管とは、ガス管・水道管・下水道管など、生活に必要なものを届ける供給管、配管のことをいいます。
土地を購入し家を建てる際、もう自分の土地だからと掘り返したら、隣の家の埋設管があり破損させてしまった、というトラブルが実際に起きています。売買する土地の埋設管の有無、場所の記載も売主による告知書の重要記載項目です。
土壌汚染とは、【有害物質が土壌に滞り、人体に影響がある程度含まれている状態】のことをいいます。
土壌汚染が起こると、長期的にその場所に留まり、そこから広範囲に拡がる恐れもあります。また、土壌汚染は目に見えないため、知らず知らずのうちに健康被害を受けてしまう可能性があります。土壌汚染は不動産価値の低減にも影響するため、土壌汚染の有無の確認は必ず行いましょう。
地盤沈下が起こると、建物の傾きやひび割れ、倒壊などの危険性が高まります。また普段は影響がなかったとしても、大雨が降ると排水機能が低下し、浸水被害にあう恐れがあります。このようなトラブルを防ぐためにも、売地の地盤は弱くないか、弱い箇所があるとしたらどこなのか、詳細に記載する必要があります。
ハザードマップとは、火山の噴火や豪雨、地震などの自然災害が起きた際に被害を受けやすい地域を示した地図のことです。
売買を行なう土地のハザードマップの対象の有無の記載が必要です。