不動産売買や取引のなかで、トラブルのもととなる理由で多いのが、土地の境界線をめぐるトラブルです。
のちにトラブルとならないためにも、どのようなものが越境の対象になるのか確認しておきましょう。
越境物とは、隣地との境界線を跨いで、他の所有者の土地に侵入しているもののことをいいます。
代表的なものは、
・屋根
・ブロック塀やフェンス
・室外機
・出窓
などです。また、目視では確認できませんが、地中の基礎や排水管などの埋設物も越境物として扱われます。
たとえば、木の枝が隣地に越境してしまっていた場合などは、相手の生活上問題がない限りはそのままにしておくことがほとんどです。ですがもしも隣人から、車の車庫入れの時に邪魔になるなどの指摘を受けた場合には、所有者側が剪定をする義務があります。
木の枝や植栽など、指摘を受けた際にすぐに対応できるようなものであれば特に問題はおきませんが、たとえばブロック塀やフェンス、水道管やガス管などのすぐに動かせない、対処できないものに対して指摘が入ってしまっては困りますよね。
そのようなトラブルを避けるために、越境物が確認される場合にはあらかじめ【越境に関する覚書】などの書類を、双方の同意の上作成しておく必要があります。
覚書を作成した際、内容を隣地の方に確認していただき、捺印をしていただく必要があります。その際に確認していただく項目は以下の通りです。
・隣地の方による越境物の確認
・建て替えを行う際には、自分の敷地内に設置しなおす旨の記載
・建物の取り壊しを行うまでは、現状のままでの使用してもいい
・もしも土地や建物を売買し、第三者に譲渡する場合には、覚書の内容を第三者に継承する旨
地役権とは、一定の目的範囲内で、他人の土地を利用できる権利のことをいいます。
たとえば、自分の家がある土地から公道に出る際、他人の私有地を通らなければ公道に出られない場合などに地役権の設定ができます。
地役権には様々なものがあります
上記のように私生活の通行のために他人の土地を利用する権利。
袋地を所有する人が、周囲を取り囲む土地を通行できる権利のこと。
圧送電線の安全を確保するための権利
日当たりが悪くならないよう、建物の高さを制限する権利。
眺望地役権